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Z世代へのNGな声かけと改善策まとめ |『新しい教え方の教科書 Z世代の部下を持ったら読む本』より

これはなに

新しい教え方の教科書 Z世代の部下を持ったら読む本』に書かれている内容から、Z世代にNGな声かけと、その改善案をまとめた記事。

www.pal-pub.jp

「まずは自分で考えてやってみて」はNG

Z世代に「まずは自分で考えてやってみて」はNGである。なぜなら、Z世代はコスパとタイパを求めるからだ。

Z世代が求めているのは、もっとも効率的な正解、ムダのないプロセスである。やってみて失敗する・後から訂正されるといったプロセスは、Z世代にとってはただのムダであり、やる気を削ぐだけである。生まれたときからインターネットがあり、それが当たり前の世代には、「背中を見て覚える」「言われたことをやれば成長する」などといった考え方は当てはまらないのだ。

「まずは自分で考えてやってみて」ではなく、一度明確な正解を示し、それができるようになるまで丁寧に指導しよう。完成物や動画など、イメージを持てるゴールを提示するのも良い。

「みんなやってきたから」はNG

仕事をさせるとき、「みんなやってきたから」はNGである。理由は2つある。

ひとつは、Z世代は他者と比べられることを嫌うからである。Z世代の若者たちには、他者と比べられたくない、負けたくないという意識が強く働いている。そのため、「みんなやってきたから」という言葉を、「みんなやってきたから、"あなたも当然やるべき"」という強いニュアンスに捉えてしまう。これは、指示を出す上司への不信感につながってしまうかもしれない。

もう1つの理由は、Z世代は目的や意味を重視するからである。目的や意味を重視するため、「他者がやってきたことだから」という理由で疑いなく発生する物事は、Z世代には理解不能である。少し前の世代なら、多少の疑問があっても半ばあきらめモードで手を動かす。しかし、Z世代は「何のために」それをやるのかという目的を伝えないと動かない。

「みんなやってきたから」ではなく、そこに本来ある意図をきちんと説明しよう。その業務に何の意味があるのか、なぜ必要なのか、そしてなぜあなたにお願いするのかを伝えよう。コスパとタイパを重視するZ世代に「無駄なことをさせられている」と思われたら終わりなのだ。

「わからないときは質問して」はNG

仕事を覚え始めたばかりのZ世代部下に、「わからないときは質問して」と言うのはNGである。理由は2つある。

ひとつは、Z世代であるか否かにかかわらず多くの部下は、「わからないときは」と言われても「わかっていないかどうかわからない」状態に陥ってしまうからだ。つまり、「わからないとき」の判断ができない。

もう1つの理由は、「わかっていないかどうかわからない」状態だと、「質問して」と言われても何を聞けばよいのかわからないからである。そもそも何がわからないのかがわからないのだから、何を聞けばよいのかわからないのは当然である。ゆえに、質問できず、何の行動も起こせなくなってしまう。

「わからないときは質問して」ではなく、「○○のときは必ず声をかけて」と声をかけよう。具体的なアクションが発生した場合に、必ず上司へ声をかけるように伝えるのだ。具体的なアクションを指定することで、彼らが無駄に考えたり、悩んだりする時間を作らないで済む。

「大丈夫?」はNG

部下が困っている様子のときに、「大丈夫?」という声かけはNGである。理由は2つある。

ひとつは、「大丈夫?」と声をかけられた際、たいていの人は「大丈夫です」と答えてしまうからだ。上司に向かって「大丈夫ではないです。助けて」と言える人は稀である。

もう1つの理由は、「大丈夫?」という声かけの回答がYesかNoになってしまうからだ。YesかNoで答えてしまうクローズドクエスチョンだと、具体的な解決策の話に入りにくい。部下側がどうしてほしいのか、あるいは上司側がどう動くべきなのかを直接聞くほうが、具体的な解決策を見つけやすい。

「大丈夫?」ではなく、「助けてあげたいんだけど、どうしたら良い?」と声をかけよう。この言葉ひとつで、「困っていると感じているので、それを解決してあげたい」という上司側の意思と、部下側の意見を聞きたいという意図を伝えられる。これにより、部下は上司の意図を容易に汲める。

まとめ

Z世代を指導・教育する際には、以下のように声かけを工夫しよう。

  • 「まずは自分で考えてやってみて」はNG → 明確な正解を提示したり、イメージを持てるゴールを提示したりしよう
  • 「みんなやってきたから」はNG → 本来ある意図や目的、理由をきちんと説明しよう
  • 「わからないときは質問して」はNG → 具体的なアクションが発生した場合に、必ず上司へ声をかけるように伝えよう
  • 「大丈夫?」はNG → 部下側がどうしてほしいのか、あるいは上司側がどう動くべきなのかを直接聞こう

参考文献

www.pal-pub.jp