これはなに
『新しい教え方の教科書 Z世代の部下を持ったら読む本』に書かれている内容から、Z世代を指導・教育するときに心がけるべきことをまとめた記事。
結論
Z世代を指導・教育する際は、Z世代の価値観に沿って、次の3つを重視しよう。
- 必ず目的を伝える
- 明確に指示する
- 共感を利用する
必ず目的を伝える
Z世代は目的や意味を重視する。なぜなら、コスパとタイパを求めるためである。
Z世代は仕事でもプライベートでも、費用対効果を冷静に判断している。そのため、業務の意味や理由、目的を伝えなければ、「無駄なことをさせられている」という気持ちが強く働き、不満につながってしまう。そのうえ、Z世代は不満を我慢する世代ではない。転職や独立が当たり前でもあるため、不満が積もれば簡単に退職してしまう。
Z世代には目的を伝える必要がある。「何のために」それをやるのかという目的を伝えないと、Z世代は動かない。「みんなやってきたから」ではなく、そこに本来ある意図をきちんと説明する癖をつけよう。
明確に指示する
Z世代は生まれたときからインターネットがあり、それが当たり前の世代である。ゆえに、「背中を見て学べ」「習うより慣れろ」といった指導方法は、いまや通用しない。とくに、Z世代は「察する」ことを苦手としている。「それくらいわかっているだろう」はまったく伝わらない。曖昧な指示は大きな負担になり、負担はやがて不満に変わる。
よって、何をすべきなのか、何が求められているのかを理解できる明確な指示を出そう。やってほしいこと、ゴール、個人の主観で判断しがちなことなどを、明確に伝えよう。
とくに、指示を出す際は、ミスコミュニケーションを避けるため、ルールと定義の目線合わせをする必要がある。たとえば、「月曜までに提出するように」という指示ひとつをとっても、下記のようなことを明確に指示しよう。
- 提出期限は完成期限なのか、初回提出期限なのか
- 修正が必要な可能性はあるのか
- 期限の設定は、何日の何時までなのか
報告するよう指示するときも、「正しい報告」のルールと定義を定めよう。欲しい報告のタイミングや内容、形式や頻度などを細かく伝え、部下ときちんとすり合わせることが重要である。
また、Z世代への指示出しには簡潔さも重要である。PREP法を使って指示を出し、最初に伝えることは3つまでに絞ろう。指示を受けた側が適切に意識、理解でき、業務のゴールを想像しやすいように指示しよう。
共感を利用する
Z世代にとっては、共感こそが、自分が相手に承認されている証である。令和世代が求める承認欲求は、褒められるのは当たり前で、それよりも自分に「共感してほしい」ということを強く求める。よって、成果に対して共感の意を示すのが有効である。たとえば、下記のような言葉をかけよう。
- 「この分析には同感だね」
- 「このレポートの形式、私もこの方法が良いと思う」
- 「その考えすごくわかる」
- 「そうだよね、私も同意」
新しいことに挑戦させる際も、その意義や目的、求めることをストーリーで伝え、共感というエネルギーを利用しよう。かつてのように「何か新しいことを考えて」というだけでなく、共感を誘う伝え方を考えることが大切である。
存在を認める声かけも有効である。何かをした行動を褒めるのではなく、その人がいてくれることを認めるのだ。以下のような、その人の存在を認め、それに感謝していることが伝わる言葉をかけよう。
- 「あなたがいてくれるおかげで、職場が明るくなった」
- 「提案に同席してくれたおかげで、スムーズに話がまとまった」
まとめ
Z世代を指導・教育する際は、Z世代の価値観に沿って、次の3つを重視しよう。
- 必ず目的を伝える
- 明確に指示する
- 共感を利用する