NakuRei’s Articles from Books

読んだ本から学んだことを書くだけ

知識を教えるときに心がけること | 『仕事を教えることになったら読む本』より

これはなに

仕事を教えることになったら読む本』に書かれている内容から、知識を教えるときに心がけるべきことをまとめたもの。

book.alc.co.jp

結論

知識を教えるときには、以下を心がけよう。

  • 最初に知識の使い道を示す
  • 次に全体像を示す
  • 結論を先に伝える
  • 相手に問いかける

知識の使い道を示そう

その知識がいつどこで役立つのか、知識の使い道を最初に示そう。人間は、使い道がわからない知識を覚えようとは思わない。相手が自主的にメモを取りたくなるような使い道を示そう。

とくに、その知識を身につけるとどんないいことがあるかを伝えるのが効果的である。安全教育であれば、その知識を身につけるとどんな事故を回避できるかを伝えると良いだろう。

全体像を示そう

知識の使い道を示したら、次に、教える知識の全体像を示そう。全体像が見えないと、受け手は不安になり、意欲をなくしてしまう。また、情報の精度を求めて個々のパーツから話すと、受け手が全体像を見失い、かえって理解が難しくなる。

たとえば、「ざっくり言うと」などのフレーズを用いて、アバウトな全体像を示そう。先に「〇つある」と伝えるのも有効である。ただし、列挙する数は3つ、あるいは4つまでとしよう。5つ以上ある場合は、多少強引にでも4つまでにグループ分けしよう。

結論を先に伝えよう

受け手の第一欲求は結論を知ることである。それがなかなか聞けないと、集中力が途切れてしまう。まずは受け手の知りたい結論を示し、その結論の理由を知りたいという欲求が生まれてから、理由を示そう

また、結論は短く示そう。短いほうが、結論としてのインパクトが強くなる。

相手に問いかけよう

文書ではなく口頭で知識を教える場合、相手に問いかけることで、相手の集中力を維持しつつ、理解度を確認できる。教える側が問題を出し、それに答えてもらう方式が有効である。ただし、問題は教えたことの範囲で答えられるものにしよう。

相手が答えられないときは、段階的にヒントを出そう。すぐに答えを教えてしまうと、相手は自分で考えることをしなくなってしまう。また、相手が問題を理解できていない可能性もあるため、すぐに答えを教えるのは避けよう。

まとめ

知識を教えるときには、以下を心がけよう。

  • 最初に知識の使い道を示す
  • 次に全体像を示す
  • 結論を先に伝える
  • 相手に問いかける

参考文献

book.alc.co.jp

私が参考にした技術書の読み方 |『「技術書」の読書術』より

これはなに

「技術書」の読書術』より、私が参考にしている技術書の読み方をまとめたもの。

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結論

本書より私が参考にしている技術書の読み方は、次の4点である。

  1. 読書の目的を意識する
  2. 読書にかける時間を意識する
  3. 同じ内容でも複数の本を読む
  4. 読書を記録する

読書の目的を意識する

本を選ぶときや読むときには、その本を読む目的があるはずである。その目的を達成できるように本を読もう。逆に言えば、その目的を達成できるならば、どんな読み方をしてもよい。

とくに、技術書では、スキルや知識を習得するという目的を達成できればよい。そのため、その目的を達成できるような、重要な説明が集中している部分だけを読めばよい

読書にかける時間を意識する

自分に合わない本へ多くの時間を費やす必要はない。そもそも、本のすべてが役に立つとは限らず、一部だけが役立てば十分である。ゆえに、大前提として、全部読む必要はない。

1度目の読書は、全体の概要をつかむ程度にざっと流し読みしよう。そうすれば、自分に合うかどうか、および自分に必要な部分はどこかを把握でき、そこに十分な時間をかけられる。少し読んで合わない本は、ざっと流し読みするだけよいのだ。

とくに、目的をもって本を読んでいるなら、その目的を達成するように読み、達成したらほかの部分は読まなくてよい。本を読む目的があるなら、本を読むこと自体を目的にしてはならない

同じ内容でも複数の本を読む

1冊の本からでも十分情報を得られることはある。しかし、同じテーマでも複数の本を読めば、それぞれ異なる視点や新たな情報が得られる。複数の本を見比べることで見えてくるものがあるのだ。

たとえば、入門書・専門書・逆引き2のように、視点が異なる本を3種類くらい読むと、実務に使えるレベルで理解が深まる。たとえ、数ページに新しい発見が1つあるぐらいの本であっても、読む価値は十分にある。とにかくたくさん本を読もう。

読書を記録する

読書記録には2種類ある。ひとつは、読書という行為の記録、すなわち本のタイトルや読書開始日/読了日などを記録するものである。もうひとつは、読書の感想を記録するものである。これらの形で、過去に読んだ本について記録しよう。

再読できるように、過去に読んだ本を記録しよう。無理に再読する必要はないが、再読により実感できる成長もある。読んだ本同士をリンクさせるのも効果的である。そこから新しい知見を得られるからだ。

読んだ本の感想や学びを記録しよう。「自分はこう思う」「自分ならこうする」など自分の視点で記録すれば、他者へ発信する価値のある情報となる。その当時の状況や背景を思い出せるように書こう。

おわりに

本記事の内容は、本の内容のすべてではなく、あくまで私が参考にしている部分を抜粋したものである。本書にはほかにもたくさんの読書術、および本の選び方やアウトプットのしかたについて書かれている。ぜひ手に取って読んでみてほしい。

参考文献

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Z世代へのNGな声かけと改善策まとめ |『新しい教え方の教科書 Z世代の部下を持ったら読む本』より

これはなに

新しい教え方の教科書 Z世代の部下を持ったら読む本』に書かれている内容から、Z世代にNGな声かけと、その改善案をまとめた記事。

www.pal-pub.jp

「まずは自分で考えてやってみて」はNG

Z世代に「まずは自分で考えてやってみて」はNGである。なぜなら、Z世代はコスパとタイパを求めるからだ。

Z世代が求めているのは、もっとも効率的な正解、ムダのないプロセスである。やってみて失敗する・後から訂正されるといったプロセスは、Z世代にとってはただのムダであり、やる気を削ぐだけである。生まれたときからインターネットがあり、それが当たり前の世代には、「背中を見て覚える」「言われたことをやれば成長する」などといった考え方は当てはまらないのだ。

「まずは自分で考えてやってみて」ではなく、一度明確な正解を示し、それができるようになるまで丁寧に指導しよう。完成物や動画など、イメージを持てるゴールを提示するのも良い。

「みんなやってきたから」はNG

仕事をさせるとき、「みんなやってきたから」はNGである。理由は2つある。

ひとつは、Z世代は他者と比べられることを嫌うからである。Z世代の若者たちには、他者と比べられたくない、負けたくないという意識が強く働いている。そのため、「みんなやってきたから」という言葉を、「みんなやってきたから、"あなたも当然やるべき"」という強いニュアンスに捉えてしまう。これは、指示を出す上司への不信感につながってしまうかもしれない。

もう1つの理由は、Z世代は目的や意味を重視するからである。目的や意味を重視するため、「他者がやってきたことだから」という理由で疑いなく発生する物事は、Z世代には理解不能である。少し前の世代なら、多少の疑問があっても半ばあきらめモードで手を動かす。しかし、Z世代は「何のために」それをやるのかという目的を伝えないと動かない。

「みんなやってきたから」ではなく、そこに本来ある意図をきちんと説明しよう。その業務に何の意味があるのか、なぜ必要なのか、そしてなぜあなたにお願いするのかを伝えよう。コスパとタイパを重視するZ世代に「無駄なことをさせられている」と思われたら終わりなのだ。

「わからないときは質問して」はNG

仕事を覚え始めたばかりのZ世代部下に、「わからないときは質問して」と言うのはNGである。理由は2つある。

ひとつは、Z世代であるか否かにかかわらず多くの部下は、「わからないときは」と言われても「わかっていないかどうかわからない」状態に陥ってしまうからだ。つまり、「わからないとき」の判断ができない。

もう1つの理由は、「わかっていないかどうかわからない」状態だと、「質問して」と言われても何を聞けばよいのかわからないからである。そもそも何がわからないのかがわからないのだから、何を聞けばよいのかわからないのは当然である。ゆえに、質問できず、何の行動も起こせなくなってしまう。

「わからないときは質問して」ではなく、「○○のときは必ず声をかけて」と声をかけよう。具体的なアクションが発生した場合に、必ず上司へ声をかけるように伝えるのだ。具体的なアクションを指定することで、彼らが無駄に考えたり、悩んだりする時間を作らないで済む。

「大丈夫?」はNG

部下が困っている様子のときに、「大丈夫?」という声かけはNGである。理由は2つある。

ひとつは、「大丈夫?」と声をかけられた際、たいていの人は「大丈夫です」と答えてしまうからだ。上司に向かって「大丈夫ではないです。助けて」と言える人は稀である。

もう1つの理由は、「大丈夫?」という声かけの回答がYesかNoになってしまうからだ。YesかNoで答えてしまうクローズドクエスチョンだと、具体的な解決策の話に入りにくい。部下側がどうしてほしいのか、あるいは上司側がどう動くべきなのかを直接聞くほうが、具体的な解決策を見つけやすい。

「大丈夫?」ではなく、「助けてあげたいんだけど、どうしたら良い?」と声をかけよう。この言葉ひとつで、「困っていると感じているので、それを解決してあげたい」という上司側の意思と、部下側の意見を聞きたいという意図を伝えられる。これにより、部下は上司の意図を容易に汲める。

まとめ

Z世代を指導・教育する際には、以下のように声かけを工夫しよう。

  • 「まずは自分で考えてやってみて」はNG → 明確な正解を提示したり、イメージを持てるゴールを提示したりしよう
  • 「みんなやってきたから」はNG → 本来ある意図や目的、理由をきちんと説明しよう
  • 「わからないときは質問して」はNG → 具体的なアクションが発生した場合に、必ず上司へ声をかけるように伝えよう
  • 「大丈夫?」はNG → 部下側がどうしてほしいのか、あるいは上司側がどう動くべきなのかを直接聞こう

参考文献

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Z世代教育のポイント |『新しい教え方の教科書 Z世代の部下を持ったら読む本』より

これはなに

新しい教え方の教科書 Z世代の部下を持ったら読む本』に書かれている内容から、Z世代を指導・教育するときに心がけるべきことをまとめた記事。

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結論

Z世代を指導・教育する際は、Z世代の価値観に沿って、次の3つを重視しよう。

  1. 必ず目的を伝える
  2. 明確に指示する
  3. 共感を利用する

必ず目的を伝える

Z世代は目的や意味を重視する。なぜなら、コスパとタイパを求めるためである。

Z世代は仕事でもプライベートでも、費用対効果を冷静に判断している。そのため、業務の意味や理由、目的を伝えなければ、「無駄なことをさせられている」という気持ちが強く働き、不満につながってしまう。そのうえ、Z世代は不満を我慢する世代ではない。転職や独立が当たり前でもあるため、不満が積もれば簡単に退職してしまう。

Z世代には目的を伝える必要がある。「何のために」それをやるのかという目的を伝えないと、Z世代は動かない。「みんなやってきたから」ではなく、そこに本来ある意図をきちんと説明する癖をつけよう。

明確に指示する

Z世代は生まれたときからインターネットがあり、それが当たり前の世代である。ゆえに、「背中を見て学べ」「習うより慣れろ」といった指導方法は、いまや通用しない。とくに、Z世代は「察する」ことを苦手としている。「それくらいわかっているだろう」はまったく伝わらない。曖昧な指示は大きな負担になり、負担はやがて不満に変わる。

よって、何をすべきなのか、何が求められているのかを理解できる明確な指示を出そう。やってほしいこと、ゴール、個人の主観で判断しがちなことなどを、明確に伝えよう。

とくに、指示を出す際は、ミスコミュニケーションを避けるため、ルールと定義の目線合わせをする必要がある。たとえば、「月曜までに提出するように」という指示ひとつをとっても、下記のようなことを明確に指示しよう。

  • 提出期限は完成期限なのか、初回提出期限なのか
  • 修正が必要な可能性はあるのか
  • 期限の設定は、何日の何時までなのか

報告するよう指示するときも、「正しい報告」のルールと定義を定めよう。欲しい報告のタイミングや内容、形式や頻度などを細かく伝え、部下ときちんとすり合わせることが重要である。

また、Z世代への指示出しには簡潔さも重要である。PREP法を使って指示を出し、最初に伝えることは3つまでに絞ろう。指示を受けた側が適切に意識、理解でき、業務のゴールを想像しやすいように指示しよう。

共感を利用する

Z世代にとっては、共感こそが、自分が相手に承認されている証である。令和世代が求める承認欲求は、褒められるのは当たり前で、それよりも自分に「共感してほしい」ということを強く求める。よって、成果に対して共感の意を示すのが有効である。たとえば、下記のような言葉をかけよう。

  • 「この分析には同感だね」
  • 「このレポートの形式、私もこの方法が良いと思う」
  • 「その考えすごくわかる」
  • 「そうだよね、私も同意」

新しいことに挑戦させる際も、その意義や目的、求めることをストーリーで伝え、共感というエネルギーを利用しよう。かつてのように「何か新しいことを考えて」というだけでなく、共感を誘う伝え方を考えることが大切である。

存在を認める声かけも有効である。何かをした行動を褒めるのではなく、その人がいてくれることを認めるのだ。以下のような、その人の存在を認め、それに感謝していることが伝わる言葉をかけよう。

  • 「あなたがいてくれるおかげで、職場が明るくなった」
  • 「提案に同席してくれたおかげで、スムーズに話がまとまった」

まとめ

Z世代を指導・教育する際は、Z世代の価値観に沿って、次の3つを重視しよう。

  1. 必ず目的を伝える
  2. 明確に指示する
  3. 共感を利用する

参考文献

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効果的な技術書の選び方 |『「技術書」の読書術』より

これはなに

「技術書」の読書術』より、私が学んだ技術書の選び方1をまとめた記事。

www.shoeisha.co.jp

結論

技術書を選ぶときは、次の3つを意識して本を選ぼう。

  1. 自分に合う本を選ぶ
  2. 目的に合った本を選ぶ
  3. たまには異なる分野の本も選んでみる

ただし、自分に合う本だけを選び続けることは不可能である。相性の悪い本と出会ったときは、流し読みするなどして、読むのにムダな時間をかけないようにしよう。

自分に合う本を選ぶ

一般に名著とされる本が、いまの自分にとっても良い本とは限らない。本書にも次のように書かれている。

人によって、そのときのスキルによって、時代によって最適な本は変わる。

そもそも技術書は、著者が想定する読者層や目的によって、書き方や内容が異なる。そのため、読者は、自分の目的やレベルに合わせて、自分に合った性質の本を選ばなければならない

自分のレベルに合った本を選ぶ

自分にとって少し難しいが理解できるレベルの本を選ぼう。たとえば、いくつか気になるキーワードを索引で探し、その解説のされ方をみてみれば、その本のわかりやすさを判断できる。まえがきから読者ターゲットを確認したり、目次から内容全体を把握したりするのもよい。

とくに入門書では、著者と読者との間で、初心者の定義に相違のあることが多い。「C言語入門」の前に「プログラミング入門」が必要な場合もある。初心者が本を選ぶ際には、全体をパラパラと見て、前提知識が足りているか、ゴールはどこに置かれているかを確認しよう。

説明のされ方との相性を確認する

図解中心か文章中心かによって、その本との相性は異なる。同じテーマを扱う章を比較し、合う方を選ぼう

たとえ話にも注意を払おう。たとえ話が理解しやすいかどうかは、ジャンルや読者の好みにより異なるからだ。

章ごとや節ごとに読むなら、章の数や各章のページ数を確認しよう。ページ数の配分から、読了に要する時間を把握できる

レビューや書評を利用する

自分のモデルとなる人や目指したい人を探し、その人が読んでいる本を確認してみよう自分と共通点のある人のブログやレビューを参考にするのもよい。一般にレビューの内容は玉石混交だが、自分と共通点のある人のレビューは、自分にとっても参考になることが多い。

目的に合った本を選ぶ

何のために本を読むのか、目的を決めて本を選ぼう。知りたいものが全体の概要か、理論か、手順かによって、合う本は異なる。目次、文字のフォント、画像の数などをみて、その本が自分の目的に合っているかを確認しよう。

たとえば、体系的に学びたいなら教科書のように順を追って説明している本が有効である。一方で、テーマの概要を把握したいだけなら、技術書よりもビジネス書や新書が適しているかもしれない。

目的を達成できれば読み方は何でもよい。ゆえに、本を買ったからと言って、すべての内容を理解する必要はない。途中から急に内容が難しくなった場合は、完全に理解することをやめて、最後までざっくりと目を通そう。

たまには異なる分野の本も選んでみる

目的を持って読むメインの読書のほかに、たまには異なる分野の本も読んでみよう。他のジャンルの本を読めば、技術者として働いていると気づかないような視点を得られる。無関心な分野の本を読めば、新しい知識や趣味、才能を発見できるかもしれない。

新刊の情報を仕入れたり、異なる分野の雑誌を読んだりして、読む本の幅を広げよう。日本十進分類法(NDC2)やISBN3をランダムに決めるのも手である。

購入を躊躇するようなら、図書館を利用しよう。図書館なら無料で気軽に新しい分野の本を読めるし、絶版本も読める。カーリルというサービスを使えば、蔵書の検索や最寄りの図書館を探せる。

calil.jp

まとめ

技術書を選ぶときは、次の3つを意識して本を選ぼう。

  1. 自分に合う本を選ぶ
  2. 目的に合った本を選ぶ
  3. たまには異なる分野の本も選んでみる

ただし、自分に合う本だけを選び続けることは不可能である。相性の悪い本と出会ったときは、流し読みするなどして、読むのにムダな時間をかけないようにしよう。

参考文献

www.shoeisha.co.jp


  1. なぜ「読書術」なのに「選び方」なのかというと、本書には「読み方」のほかにも、「選び方」や「アウトプットのしかた」について書かれていたためである。
  2. Nippon Decimal Classificationの頭字語。
  3. International Standard Book Numberの頭字語。